契約解除違約金というのは、
選手とチームが合意の上で一定の金額を決めて、
その金額を支払えばクラブも選手も一方的に契約を解除できる
っていう制度だ。
最初はスペインの国内法だけで認められていたんだが、
2001年にFIFAが移籍規約を改正して
契約条項に含められるようになった。
スペインでは1990年代からあった違約金なんだが、
97年にロナウドがバルセロナからインテルに移籍した時に
初めて国際的に問題になった。
[写真]=wikipedia
インテルがロナウドとバルサとの契約に定められた違約金を支払って
移籍成立かと思われたんだが、
当時はFIFAがこのスキームを認めていなかったので
一方的にこの交渉をストップ。
クラブ双方に通常の移籍形態での移籍をさせた。
今は、
選手がクラブの意思にかかわらず移籍できる可能性を残すため、
またクラブ側が選手の「ゴネ得」による移籍を止めるために
合意の上で設定するケースが増えている。
選手からしてみれば移籍しやすいように出来るだけ金額を低く、
クラブにしてみれば移籍しにくい様に出来るだけ金額を高くしたい。
どこら辺で妥協するかは双方の力関係や交渉力次第だ。
スペインのクリスティアーノ・ロナウドやメッシなどが
2億ユーロ超という高額の契約解除違約金が設定されている。
いくらなんでも実際の市場価値を大きく超えた金額だね。
イタリアでは昨年の夏、
ウディネーゼから22歳のジエリンスキ(ポーランド代表)を
ナポリが1400万ユーロで獲得した際に
なんと5500万ユーロの違約金を設定して話題になった。
[写真]=Liverpoolの1ファンが綴るblog
このようにスペインやイタリアでは一般的になっているが、
イングランドやドイツでは案外違約金設定することは少ない。
イングランドやドイツでは
移籍そのものがビジネスだっていう割り切った考えがあって
わざわざ違約金を設定してまで引きとめない。
契約延長を拒否して、契約満了でフリー移籍する場合も
イタリアやスペインよりは寛容に受け入れる傾向がある。
こういったところは文化の違いだね。
自分の好きな選手の移籍話が出た時は
この契約解除違約金についても注目してみてみよう。